要介護者にとって、生活援助や身体介助といった生活サポートも重要ですが、リハビリテーションなどをとり入れて予防に努めることも重要です。これと同様に、認知症を発症している高齢者に対しては、投薬などといった医療的な観点から見る治療も重要ですが、重症化を防ぎ、予防をするためには介護現場におけるコミュニケーションも非常に重要となります。認知症患者は、脳機能が低下していることもあり、直近で起こったことや自分の言動を忘れてしまい、行動に一貫性がないように感じられます。また、時に怒りやすく感情が不安定だと感じることも多いです。
この状態に付き合うことは、介護職員にとって負担になることだからと適当に対応してしまうと、認知症患者のストレスとなって症状が悪化する可能性があります。認知症患者とコミュニケーションをとる際には、傾聴と共感すること、ペースを合わせることが重要です。ただ話を聞くのではなく、相手の気持ちに寄り添い、なぜそのような言動をするのかをくみ取ることが必要となります。同時に焦燥感や感情の乱れで落ち着かない認知症患者を安心させるために、呼吸や言動を合わせて共感し、相手のペースに合わせて物事を強制しないことも必要となります。相手を受け入れる体制をとるとともに、わかりやすく伝えることもポイントと言えます。簡潔な言葉で伝え、スキンシップを多用しながら受け入れていることを示すことで、信頼関係を築くことができるでしょう。